土台敷き
土台とは、建物の基礎と躯体の間に設置されているのが構造部材です。
柱を建てる前に土台を敷き、基礎から出ているアンカーボルトと結合させます。
今から10年くらい前までは、土台を直接基礎へ固定していたので、加工し終わった材料に防腐剤を塗っていました。 現在では基礎上部と土台の間に【 *基礎パッキン 】を挟んで固定を行うの工法が主流で、防腐剤を注入した材料で行っています。
*基礎パッキン ・・・基礎と土台に挟むことによって基礎に風窓を開けずに通風を確保する事が可能な建築資材です。
まず、基礎天端(キソテンバ)に土台を設置する位置の墨を出します。(写真の黒いライン)
*差し金(サシガネ)を使い、土台へアンカーボルトの位置を転記します。
*差し金・・・曲尺、差矩とも書かれます。
墨壷とともに材木をこしらえるときに最初に使う道具で、大工にとって必要不可欠な道具のひとつです。
形状は長柄と短柄のL字型の物差しで直角を出せます。 材質はステンレス製のものが一般的です。
表には表目といって尺やミリで目盛が刻まれています。
裏は裏目といい、表目の√2倍になっていて、計算しなくても直角二等辺三角形の底辺が出せます。丸目は直径と円周の関係が割り出せるようになっています。
単純に見える差し金ですが、昔からの知恵が凝縮されているものです。
転記したアンカーボルトの位置に電動ドリルで穴を空けます。
ただ、アンカーボルトの位置を出して穴を空けている訳ではありません。 左右を間違えてしまったり、斜めに穴を空けてしまったりしない様、大工さんは慎重に、かつ安全に作業を進めていきます。
全てのアンカーボルト・ホールダウンの穴を空け、順番通りに組み合わせてからアンカーボルトと結合して土台敷きは終了です。
次の現場作業は「上棟」へと進みます。 「上棟」は建物が立体的になり、形が目に見えるので迫力はありますが、その礎ともいえる「土台敷き」はさらに重要な工程の一部だと思います。