安心の生活をサポートする設備
はじめに
このデータは警視庁が公表した去年の強姦被害の発生場所とその割合を示したものです。
全体の5割が住宅での被害となっています。こういったこともあり、一人暮らしをするお客様がお部屋探しでよく重視されるのが防犯設備です。
防犯設備も性能や特徴をよく理解していればとても役に立つものですが、
”これがあるから100%安心”と考えるのは危険です。防犯設備は少し防犯性が上がったという認識くらいにしておくのがいいかもしれません。
今回はそんな賃貸物件の防犯について紹介していきます。
オートロック
オートロックは防犯設備の中でも最もお客様から支持されているのではないでしょうか。
オートロック付きの物件に住めば安心!
そう考えてしまうのは早いかもしれません。オートロックがついているからといって
1.短時間の外出時に鍵を閉めない
2.窓を閉め忘れる
ことがあっては本末転倒です。外出時の短時間が狙い目であったり、窓からの侵入も十分に考えられます。さらにオートロックには簡単に開錠できたりと抜け穴があります。
例として
1.住人が開錠するタイミングで入ることもできる
開錠のタイミングを見計らって後ろからついて行く
2.昔の住人が開錠する
住んでいた時に合鍵を作っていた
3.暗証番号を押して開錠する
誰かから聞いたり押しているところを見て知る
などがあります。
オートロックの解除方法もカードキーや指紋認証など増えてきていますが、あくまで設備の1つと考えておくのがよいのではないでしょうか。
防犯カメラ
防犯カメラも人気の設備ですがこちらも完全に安心してしまうのは危険です。
防犯カメラがあるから見られているという意識はされるでしょう。しかしそもそも防犯カメラは犯人をその場で捕まえるのではなく、犯人が誰であったのかを特定することが目的の設備です。
カメラの映像から顔や身長、服装や性別といった犯人の特徴を知ることができます。しかし、それを逆手にとって偽りの特徴をカメラの映像に残すこともできてしまいます。
◆顔
人間の最も覚えられやすい特徴が見た目、つまり顔になります。日本では風邪の予防としてマスクをする人は多く、マスクをしていても周囲の人は不自然に思いません。
帽子はファッションとして被る方も多いのでマスク同様不自然に思われません。
また、スマートフォン等を見てうつむきながら歩けば映像から顔を特定することはできません。
◆身長
ニュースで時々目撃者の証言で
身長170センチくらいの○○が走って逃げて行った
というようなテロップを見ることがあると思います。しかし、それが必ずしも本当の身長に近いとは限りません。シークレットブーツや厚底の靴を履くと10センチ近く身長が高く見えたりもします。
◆服装・性別
服装については何枚も重ね着をして入り、出てから脱いでしまえばいくらでもごまかすことができます。着込む枚数が多ければ服装だけでなく体型も変わりますね。
性別に関しても服装であったりカツラを着用することで簡単に騙されてしまいます。
何ができるのか
私たちにできることがないのかと言うとそういうわけでもありません。
”オートロックや防犯カメラだけが防犯設備ではありません”
ポータルサイトの物件探しの条件をチェックする欄には様々な防犯設備が用意されています。
下記で紹介しますがエントランスだけではなく玄関や通報システム等にも注目すれば様々な対策ができます。
◆ディンプルキー
ディンプルキーとは丸いくぼみのついた鍵のことで上の画像の下の鍵にあたります。
そして画像のように鍵を挿し込む専用のシリンダー内にはピンがあり、それが全て適正な位置になると鍵を回すことができます。
このピンの本数がタンブラーキー(ギザギザした鍵)よりもディンプルキーのほうが多くなり、多くなるほど複雑になるためピッキングがしにくくなるという仕組みです。
ディンプルキーを採用した物件も増えておりますのでお部屋探しの際は注目してみるのもいいですね。
◆セキュリティー会社加入物件
テレビCMでも見かけると思いますがセキュリティー会社に加入している物件だと24時間サポートなので緊急時の対応が迅速です。
入口からだけでなくベランダからの異常も感知されますので効果の期待できる対策です。
ほとんどの場合契約時の費用で加入金として15,000~20,000円(※墨田区の相場)を支払えば、電話をすればその物件にいつでもセキュリティー会社の方が駆けつけてくれます。
営業マンは物件や地域を知っている
お部屋探しの時に不動産営業マンに要望をはっきりと伝えるのも重要です。
ネットで見た物件が良さそうに思えても意外と設備が有効に使われていない物件もあります。
そういう時に営業マンに要望をしっかりと伝えると、物件自体の特徴や町の雰囲気も知っているので最適な設備の付いた物件を紹介してもらえるかもしれません。
まとめ
防犯設備は私たちの身を守るために役に立つものです。しかし、それをあてにして生活しては気が緩んでしまいかねないです。そして気が緩んでいる時に被害に遭うものです。
・カーテンを地味なものにする
・深夜に一人でコンビニに立ち寄らない
・防犯ブザーを常備しておく
・ゴミに個人情報をそのまま入れない
できることはたくさんあります。
「本人の普段からの意識が何よりも防犯対策になる」と考えて生活するのがベストですね。
それでは今回はこのあたりで。