建築金物の話
本店の野澤です。
建築金物とは、一般的にドアに付いている蝶番やドアストッパー・ノブなどの事を言いますが、今日は構造部材の接合に使用される金物の話をしたいと思います。
写真の金物ですが、土台の上に付いている丸い金物がスクリューワッシャーです。基礎の上に基礎パッキンと土台を乗せ、アンカーボルトをスクリューワッシャーで締めて固定します。
柱の脇から上に伸びているボルトが、ホールダウン金物です。
自分の記憶では、阪神大震災以降にこの金物が増えた気がします。
耐震性を高める方法は、耐力壁を増すことも大事ですが、それだけでは十分ではありません。阪神大震災の時の倒壊原因も、柱の接合部の弱さが倒壊原因の一つに上げられています。
ホールダウン金物とは「引き寄せ金物」とも言い、木造で建物が水平力を受けた場合に、耐力壁にかかる引き抜き力に対抗するために、1階では基礎又は土台と柱、2階・3階では上下階の柱と柱、又は柱と梁(はり)に取り付ける耐震性を確保する重要な補強金物です。
羽子板ボルト(羽子板金物)
直行する構造部材をしっかりと固定するために用いられる金物が羽子板ボルトです。
羽子板ボルトは、一方の部材を貫いてボルト締めするので強い力で固定できる特徴があります。
コーナープレート
柱と横架材(梁や桁)との接合部分が抜けないように直角に曲がったコーナープレートが使用されます。
短冊金物
この金物は横架材の連結部分の補強に用いられる補強金物です。
写真はビス止めタイプの金物ですが、釘止めやボルト締めなどのタイプもあります。
鎹(かすがい)
「子はかすがい」って聞いたことありますよね? 離れないように繋ぎ止める役目の金物です。
ひねり金物(垂木止め)
屋根の最下部を構成する垂木(たる木)と母屋(もや)・桁(けた)・棟木(むなぎ)などの接合部の固定には短冊を90度ひねったようなひねり金物が使用されます。
ひねり金物を垂木のすべてに取り付けることにより母屋や桁にしっかりと固定され、強風などで屋根があおられ、吹き飛ばされることを防ぎます。
現在の金物は取付位置や使用する種類が構造計算によって図面に指示されていて、それをもとに大工が施工し、第三者機関の検査を受けて作業を進めます。
耐震などの問題により、ここ15年~20年くらいで建築金物と大工道具は随分と変わってきました。釘で止めていたもののほとんどが抜けにくいビス(ねじ)で止められています。
弊社の建物はいつでもご覧頂けますので、お近くにお越しの際はぜひご覧下さい。でも、作業している大工に一声かけてからにしてください。