戸建てが出来るまで③~完成編~
戸建てが出来るまで③~完成編~
前回は基礎工事~上棟までをご紹介させて頂きました。➡戸建てが出来るまで②
今回は完成までの工事をご紹介させて頂きます!
上棟後
屋根施工
上棟が完了し、次の工程は屋根工事となります。
順番ですが
- 野地板の施工
- 下葺き材(防水シート)の施工
- 仕上げ材(ガルバニウム鋼板)の施工となります。
下地
次にに行うのが、構造用合板の下地となる間柱(柱と柱の間に取り付ける木材)や外部サッシの下地となる窓台(窓下の受け材)・まぐさ(窓上の下地材)を施工する工程です。
以前は、大工さんが現場で加工する木材の種類も多かったのですが、
プレカット技術が進んだ現在では、間柱や窓台・まぐさも加工済みの状態で現場に届くことも多くなり、木工事に必要な期間も短くなってきました。
プレカットとは?
プレカットとは、建築部材を施工現場に持ち込む前に、工場で事前に機械加工することをいいます。
木造住宅建築の際の木部工事において、現場での施工前に工場などで原材料を切断したり接合部の加工を施しておくことをいいます。
伝統工法や在来工法などで古くから見られたように、工事現場で大工職人が部材を加工しながら建てるのとは違い、設計に基づいて必要とされる部材を、事前に工場で機械的に加工しておき、建築現場ではそれらを組み上げて建てていくやり方が「プレカット工法」と呼ばれる方法です。
従来の方法に比べて、作業効率のアップ(工期短縮)や品質の均一化、精度の高さにより、材料のロスや時間的ロスの軽減など、コストの削減に加え、 端材や加工時に出る木屑などを現場に持ち込んだり残すことが少ないので、環境的にも優しいと言えます。木造住宅の梁や継ぎ手・仕口の加工を機械で行ないます。工場で加工された柱や梁などは、高品質で一本一本強度を確認することができるため、 高精度な構造計算を行うことが可能になります。
またミリ単位の精度でプレカット加工された資材は、バラつきやミスが無いため現場での施工精度も高まります。 つまりプレカットとは、無駄なく効率的に高品質・高精度の木材加工を実現するための工法とも言えます。
筋交い・構造用合板の施工
間柱・窓台・まぐさなどの施工が完了したら、建物の強度を増すための構造用合板(外部を覆うための板。壁紙のクロスや化粧板などを施工する前に、下地として使います。みなさんのお家や会社、その壁の中にも構造用合板が使用されているでしょう。
合板という名前からわかるように、構造用合板も複数のベニヤ板が貼り合わされたものです。
や筋交い(斜めに設置する木材)を施工する工程です。
構造用合板や筋交いの数は計算によって算出されており、取付ける箇所は建物のバランスを考えて決定されています。
構造用金物の設置
建物の強度を負担する構造材の補強や脱落防止のために、金属製の金具を取付ける工程です。
現在の木造住宅では、柱や梁・筋交いなどの構造材の接合部には必ず構造金物を取付ける必要があります。
金物を使用する箇所は、同じ部材同士の継ぎ手や仕口 及び 柱と梁 ・柱と土台などの各部材の接合部に必要です。その中でも、特に筋かいの接合部 及び耐力壁が設けられた軸組の柱(柱脚・柱頭)に設ける接合金物(耐力壁による金物)は、建物の耐震性に影響する重要な部位にあたります。
サッシの取付
構造材・金物の施工完了後に窓サッシの取付となります。
サッシも現在では室外側は耐候性の高いアルミ、室内側は断熱・遮音効果の高い樹脂という構造にすることで、風雨にさらされる外側の劣化を防ぎつつ、部屋の断熱性や防音性を高めるサッシが用いられております。
サッシ取付時に電気、ガス、水道の室内配管の穴、配線を事前にやっておくことも重要となります。
外壁①
外壁の構造用合板の施工が完了したら、外壁工事の前に透湿防水シートの工程に移ります。
透湿防水シートとは、水は通さずに湿気(水蒸気)だけを通す性質をもつ薄いシートのことで、建物を雨から守ったり、壁内(柱の厚み分の空間)の結露を防ぐ効果があります。
建物の壁内が結露によって湿ってしまうと、断熱材の性能低下や木材の腐食が進んでしまうので、
建物の寿命を縮めないためには、隙間のない透湿防水シートの施工が必要不可欠となります。
一般に、戸建て住宅の外壁は「モルタル仕上げ」と「サイディング仕上げ」の2種類があります。
今回は「モルタル仕上げ」仕様のご説明をさせて頂きます。
アスファルトフェルトという防水紙(写真の黒いシート)を張っていきます。
雨水が直接内壁面に侵入するのを防ぐ為の大事な工程です。
シートを貼る方向も決まっていて雨水が侵入しても水を早く排出できるように、『横貼り』をします。
この後、ラス網を張ってモルタルを塗っていきます。
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フローリング施工
フローリングには「さね」と呼ばれる凸凹があり、凹部分に隠し釘を打った後に凸部分を差し込んで留めていきます。
断面図でご確認下さい。
断熱材・下地施工
年々関心の高まる、住宅の省エネ問題。
断熱性の高い住まいは、室内の温熱環境を快適に保てるのはもちろんのこと、電気代などのランニングコストが抑えられることも魅力でしょう。
また、2020年には住宅の省エネ義務化もスタートします。
壁面を充填断熱する場合には、柱や枠材の間にすき間なく断熱材が取り付けられているかが重要となります。
日本でよく使われる袋入りグラスウールやロックウールには、「耳」と呼ばれる部分があります。この、「耳」を柱や間柱の上で重ね、表面の防湿シートを連続させることが重要。「耳」を柱や間柱の上で重ねていないと、防湿シートが連続せず、壁の中で結露が発生する原因になるのです。
断熱材は、ホチキスの大きなもので留めつけていきます。断熱材が垂れ下がらずに、しっかり留まっているかも重要となります。
断熱材施工が完了したら内壁の石膏ボードで蓋をしていきます。
ですが、その前に
内壁の石膏ボードを貼る前に必ず行わないといけないのが、補強のための下地材を施工する工程です。
エアコンや壁掛けテレビなどの重力物を壁に固定する場合や手摺りなどの強度が必要な部材を取付ける場所には、壁の中に下地を仕込んでおかないと強度不足でグラついたり、脱落してしまう恐れがあるので、下地材の施工は欠かせません。
室内内壁(石膏ボード)内部工事
石膏ボードとは、石膏を主成分としたものを板状にして、紙で挟んだボードのことをいいます。
遮音・耐火性が高く、非常に丈夫なのですが、重量がかなりあるため、用途によってサイズや種類を使い分けながら施工していきます。
石膏ボードは強度・遮音性・耐火性が高いため最近の新築住宅やリノベーション物件では主流となっています。クロスを貼るために面を作っているだけではなく、壁や天井を補強し・防音し・耐火性を確保するための面材としての役割も担っているのです。
大工さんにとってもとてもありがたいことに、加工がとてもしやすく、施工が比較的容易に行うことが出来ます。
普段はクロスに隠れて姿を見せない石膏ボードですが、かなり優秀で欠かせない存在です。
写真でわかる通り配線等はすでに設置した有りますので設備(キッチン、浴室、洗面台等)の設置もここから可能となります。
そして大工工事も終盤になるのが内部階段の設置です。
意外かもしれませんが、内部階段を施工するのは木工事でもずいぶん終盤の工程です。
内部階段が組み上がるまではハシゴを使わないと建物の2階に上がれないので、安全に配慮している住宅会社はお施主さんが2階上がるのを嫌うのですが、これで2階からの眺めや間取りの雰囲気を実際に見られるようになります。
外壁②
先程のラス網に左官工事でモルタルを塗りました。
そこからリシンの吹き付けを行います。
リシン仕上げには、さらに細かく分類していくと2つの塗り方が存在します。1つ目は「吹き付け施工」。スプレーガンで、壁一面に塗料を分散させるように吹き付けていくやり方です。2つ目は「弾性リシン」。ひび割れしやすいモルタル壁の弱点をカバーするために開発された、やや弾力の強い施工方法になります。こちらもガンを使って塗料を飛ばしてく塗り方になります。
当社では後者の方法を採用しております。
施工後
ここまでくれば完成が近いです!
残っている作業はクロス・設備の設置・外構工事・クリーニングとなります。
クロス
まずは石膏ボードの継ぎ手部分を平にするため、パテで埋めていきます
パテが十分乾いた段階で職人さんが丁寧に貼っていきます。
完成
設備設置・外構工事・クリーニングの完成写真となります
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回で土地~完成までの工程全3回のご紹介は完了となります!
工程の順序も入れ替わったり、ひとつひとつ違う家があるように、そこへ至るまでのプロセスも様々です。
「一戸建てってそんな風にできているんだ」というのが少しでも伝わっていたらうれしいです。